絨毯ギャラリー社の大熊直子社長と行くギャッベの本場イラン研修:テヘラン編
投稿日: 投稿者:MR.GABBEH

「テヘランのバザール」と「ゾランヴァリ工場&倉庫」を訪問

今回は、「テヘランのバザール」と「ゾランヴァリ社の工場&倉庫」を訪ねたお話です!
テヘランのバザールには、たくさんのペルシャ絨毯のお店が並び、どこを見ても美しい絨毯ばかり。時間を忘れて見入っていると、「次、行くで!早よ行くで!」とバイヤーの大熊に声をかけられてしまいました。
そして次は、世界的ブランド・ゾランヴァリ社の工場へ。クリーニングや補修などを行う棟を見学すると、各工程で熟練の職人さんたちが丁寧に作業されていました。ギャッベが一枚仕上がるまでに、たくさんの人の手が関わっていることを改めて実感しました。
最後に訪れた倉庫では、ミスターギャッベやゾランヴァリギャッベがずらりと積まれ、その迫力にびっくり!スタッフも真剣に、でもワクワクしながらギャッベを選んでいました。今回の訪問を通して、実際にイランを訪れて仕入れることの大切さを改めて感じました。
たくさんのペルシャ絨毯が集まるテヘランのバザール

テヘランのバザールはシーラーズより賑やかで、絨毯や洋服、スパイスなど多彩なお店が並んでいます。店主は皆真顔で最初は少し怖い…(?)
活気にあふれているバザールの入口

バザールの一角にある、ナイン産のペルシャ絨毯を扱うお店を訪ねました。店内にはクリーム色やアイボリー、淡いブルーなどの絨毯がずらりと並んでいます。日本のインテリアにも合わせやすいので、スタッフとたくさん選びました。そして、バイヤーの大熊が店主と真剣な表情で価格交渉をスタート。「あかんわ~、高い!」とたまに出る関西弁に私は思わず笑ってしまいましたが、どちらも譲らない熱いやり取りが続きます。無事に納得のいく価格で交渉がまとまり、笑顔で握手。ナインの魅力がぎゅっと詰まった素敵な絨毯を手に入れることができました。
ナイン産のペルシャ絨毯のショップ

テヘランのバザールの一角にある、ナイン産のペルシャ絨毯を扱うお店を訪ねました。店内には、クリーム色やアイボリー、淡いブルーなど、落ち着いた色調の絨毯がずらり。上品で柔らかな雰囲気があり、日本のインテリアにもとても合わせやすいと人気です。職人技が光る美しい模様に見とれていると、バイヤーの大熊が店主と真剣な表情で価格交渉をスタート。笑顔を交えながらも、どちらも譲らない熱いやり取りが続きました。さらに店主は「これも見る?」と、ナイン産ではない別の産地の絨毯も見せてくれ、ペルシャ絨毯の奥深さを改めて実感。どの一枚にも物語が詰まった、素敵なお店でした。
イスファハン産のペルシャ絨毯のショップ

イスファハン産のペルシャ絨毯のショップにも立ち寄りました。入る前、バイヤーの大熊は「高かったら買えへん!」と言っていましたが、まさにその通り。金額の折り合いがつかず、交渉は決裂しました。「See you next timeや!」と言い残してお店を出ました。それでも、たくさんのイスファハン絨毯を見ることができ、また、模様の細かさと華やかさを実際に目の当たりにできたので、幸せな気分になりました。
ゾランヴァリ社のクリーニング&メンテナンス工場

洗いから乾燥まで行うクリーニング棟、端の補正や歪みを直す補正棟、仕上げを行うメンテナンス棟と、ギャッベを丁寧に整える工程を見学しました。
洗いから乾燥までのクリーニング棟

ゾランヴァリ社のクリーニング棟では、絨毯を美しく整えるための一連の工程を間近で見ることができました。まず、遊び毛を焼き切り、続いて専用の埃取り機に入れてホコリをしっかり除去します。その後、不揃いな長さのパイルは大型の電動バリカンで均一に刈り揃えられます。さらに、専用の洗剤とブラシを使い、大人数で息を合わせながら丁寧に水洗し、大型の脱水機で水分をしっかりと取ります。最後に天日干しをします。
両端の処理と歪みを補正する補正棟

補正棟では、ギャッベの両端の処理と全体の歪みを整える工程が行われています。まず、ギャッベの経糸を織り込んで縫い合わせて固定します。その後、棘のついた専用器具を使い、ギャッベを引き伸ばしていきます。伸ばした状態を保持するため、適切な位置に釘を打ち込み固定。これにより、織り上がったときに生じた微妙な歪みを補正し、平らで美しい形に仕上げます。職人さんたちは慎重に力加減を調整し、ギャッベの繊維を傷めることなく作業を進めていました。
仕上げを行うメンテナンス棟

メンテナンス棟では、ギャッベの最終仕上げが行われます。まず、電動バリカンを用いて表面を滑らかに美しく整えます。さらに、両端に圧力をかけて補強します。その後、側面の両側を整えた後、強度を高めるために金槌で軽きます。これらの工程を経てようやく、手触りの美しさを損なうことなく、耐久性の高いギャッベが仕上がります。
ゾランヴァリギャッベやミスターギャッベの倉庫

倉庫に入ると、山のように積まれたギャッベに圧倒されます。私も仕入れの体験をしました。
たくさんのギャッベにびっくり!

倉庫に入ると、色とりどりのギャッベがまるで山のように積まれていて、思わず「おぉぉ!」と言ってしまいました。サイズ別に分けて積まれているため、とても見やすかったです。ギャッベは一点物なので、全部見なくては!ここからは体力・気力・記憶力の勝負です。
真剣に選んでいる絨毯ギャラリーのスタッフ

倉庫に山積みされたギャッベを、ゾランヴァリ社のスタッフさんが次々とめくって見せてくれます。絨毯ギャラリーのスタッフは、一枚一枚を慎重に確認しながら「Yes」「No」「考え中」に分けていきました。最初はゆっくりと時間をかけて選んでいましたが、だんだんペースが上がります。理由はもちろん、せっかちなバイヤー大熊の存在もありますが、私もついつい囁き女将のようにアドバイスを送ってしまいました。色合いや模様、手触りを確かめながら真剣に吟味するその姿は、納得の一枚を見つけるための集中力が試される時間でした。
ミスターギャッベも選びました

次に案内されたのは、ミスターギャッベが積まれた倉庫です。事前に欲しいサイズや色のリストを作って臨んだものの、実際にはほとんど使わず、目の前に広がるギャッベに夢中になってしまいました。山のように積まれたギャッベの中から、一枚一枚手に取り、模様や手触りを確かめながら、直感でお気に入りを選んでいきます。選ぶのが本当に楽しく、つい予定以上にたくさんのギャッベをピックアップしてしまいました。
ゾランヴァリ社の工場見学と、ペルシャ絨毯&ギャッベの選定体験

テヘランのバザールでペルシャ絨毯の選定を体験し、バイヤー大熊と店主との価格交渉大会に感動しました。また、産地による絨毯の特徴の違いもとても興味深かったです。
次に、世界的に有名なゾランヴァリ社の工場を訪れ、ギャッベがどのように丁寧に仕上げられていくのかを見学しました。洗いから乾燥、補正、メンテナンスまで、すべての工程で熟練した職人さんが作業されており、一枚の絨毯に多くの人の手と時間がかけられていることに改めて感動しました。
最後に訪れたゾランヴァリ社の倉庫では、山のように積まれたギャッベの中から、色・デザイン・サイズを自分たちの目で確かめながら一枚一枚を選びました。質感や織りの細かさ、色の深みを実際に確認し、本場イランでしっかりと選定しているからこそ、ミスターギャッベには品質もデザインも確かな「安心」があるのだと実感できる研修でした。